【ネタバレあり】バッドガイズのテーマとか凄さとか【映画感想】

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10ヶ月ほど焦らされましたよ!!


なんとか公開日に観れました(わざわざ字幕版のために横浜まで赴いた)
日記には書いてなかったですが、8/23に行われた試写会で観ていましたが、公開された中で見るのは鑑賞後のツイートだったりとか、また何か違いますね…。

感想

バッドガイズはストーリーは悪者集団が善人になるという、比較的シンプルな流れのに加え、映画のオマージュだったり、ルパンや日本アニメを思わせるコミカルな演出や3DCG描写、細かな伏線回収やセリフ回しが多重に展開される映画だからこそのエンタメ要素がふんだんに盛り込まれた、まさに『映画館で観てほしい』映画でした。
ドリームワークス作品という、子供向けでありながらも映画好きな大人に刺さる演出と、真の意味で子供から大人なで楽しめるエンタメ映画でした!!

基本的には今までの人生に満足していたウルフがおばあさんを救ったことをきっかけに変わろうとする物語でありますが、ディズニーや従来のドリワ映画とは異なり、それにフォーカスを当てすぎず、エンタメ方向に振り切った状態でウルフやバッドガイズがどう変わるかというのが斬新だなあと思ったり。
なので、劇中でここは泣くであろうシーンだとか、葛藤シーンなどは非常に少なく、視聴者としては難しいことは考えずとりあえず目の前の映像や演出を楽しんでるだけですごく心がウキウキになれるような、特大の音響やスクリーンで見るにはふさわしい映画でした。

ストーリー

ストーリーについては他のサイトを観たほうが丁寧かと思いますが、以下の通りかなと

怪盗集団のバッドガイズが黄金のイルカというお宝を盗もうとするが、おばあさんを助けたことにより、善の心が開花したのが皮肉にも正体がバレる要素となってしまい、あと一歩のところで逮捕されてしまう

黄金のイルカを受け取る予定だったマーマレード教授の実験により、悪者を善人にしようとするプログラムを受けるが、あくまでも善人のフリをして黄金のイルカを奪い取ろうとするが、知事であるキツネとのダイアンとのやり取りを通して過去の悪行と善の行動を通して自分を見つめ直そうとするウルフ

善の祝祭(善人のフリをしながら黄金のイルカを奪い取るチャンスの場)で、ウルフがダイアンとのダンスや、音楽を通して善人としての心が開花し、ウルフの独断で黄金のイルカを奪う計画を取りやめるものの、隕石(過去に街に落ちたもの)が奪われ、バッドガイズが濡れ衣を着せられる。ここでマーマレード教授の企みにより、ウルフが罠にはめられており、濡れ衣を着せられたことが判明。
過去に街に落ちた隕石は特殊な電磁波を発生するものであったことが判明。
荒れた海の中にある刑務所にブチ込まれるが、ダイアン(実は正体不明の怪盗であるクリムゾンパウ)に助けられ、脱獄
ダイアン自身もマーマレード教授の企みを嗅ぎつけ、教授の企みを阻止しようとウルフと共闘するものの、仲間の一人であるスネークから仲間を裏切ろうとしたと拒絶されウルフ以外のバッドガイズと離別してしまう。

教授の企みにより、隕石から発信した電磁波から街中のモルモットが操られ教授自身が集めた寄付金を積んだ車が奪われる。
ウルフ以外のバッドガイズにも善人の心があると気付かされるが、それを認めようとしないスネーク。一方で、ウルフとダイアンが教授の屋敷に侵入し、スネークを除いたシャーク、ピラニア、タランチュラと合流するが、スネークが教授側についたことが判明。
電磁波を止めるため、隕石を奪還し、車に積んだものの街中の操られたモルモットが運転する輸送車の暴走を止め、隕石を返す一歩手前のところまで到達するが、名誉よりも置き去りにしたスネークを取り戻すため、スネークと教授が乗ったヘリコプターに近づくが、教授の企みにより、スネークが蹴り落とされ、隕石を奪われてしむあ。
スネークは救ったが、バッドガイズ全員そろって自首することを志願する。
隕石を救ったと自分の手柄にしようとしたマーマレード教授であったが、奪った隕石は実はランプであり(教授の家にあった隕石を模したランプ)、本物の隕石は教授の家にあった(スネークがモルモットを操作してすり替えていた)ため、教授の悪行が結果的にバレ、ダイアンから奪ったダイヤ(クリムゾンパウが盗んだとされる)を所持していたため、教授がクリムゾンパウであると誤解された上で逮捕されてしまう。
模範囚として一年の刑期で釈放されるバッドガイズ。彼らを迎えに来てくれたのはダイアンであり、彼らを乗せた車は再び街へ向かう…。

テーマとか

テーマについては「見かけで判断するなよ」とか、「友情」とか非常にベタであるかなとは思います。
従来にドリワ作品では、上記のテーマはある意味よく扱っているものの、3DCGや、動きのコミカルさ、アクション映画なみの瞬間的な凄腕アクション要素が加わって、新規性を帯びた映画になっていました。

演出とか

映画序盤のクールさとか

前述のとおりなのですが、ユニバーサルのロゴが流れるシーンから、既に演出は始まっており、従来ユニバーサルの音楽で流れる荘厳な音楽ではなく、低音でクールなBGMから始まり、ドリワロゴに主人公のウルフから登場→ウルフとスネークのの会話が2分ほど繰り広げられるというクールな始まり方から、「おっ、この映画は何か違うぞ」というワクワク感を募らせながら映画の序盤が展開される。
しかしながら、2人がクールに会話している一方で、スネークの誕生日嫌いであるとか、彼らが街中の人に怖がられてる演出が加わるため、彼らの社会的な扱いを体感的に理解することができるという一見静かでありながらも、セリフを抜きに状況を把握できるシーンでもあるのがイカしていまいた。

バッドガイズという集団も警察から逃げる中で彼らの得意分野を発揮しながら華麗に警察を妨害しつつ、彼らは見た目だけで悪者と判断されてしまうが故に悪いことをしようという、ある意味完成された状態から映画がスタートする。

黄金のイルカを盗もうとするときの切り替えも優秀で、ウルフの計画の解説と共に、実際の作戦がスタートする。各々が別々に行動し、任務を遂行する姿も優秀で、トラブルはあるものの、黄金のイルカを盗めるか盗めないかというドキドキ感を味あわせてくれる。

その他好きな演出とか

  • 猫を救おうとするシーンで見られる3DCGでは見られないデフォルトじみた描写
  • ウルフとダイアンのダンスシーン。体感時間がスローになる中でウルフ自身が自身の心の声を聞き、善の心があることにダイアンを通して気付かされるシーン。今まで受けてきた自分への偏見が取れて、周りの人間が怖がるどころかフレンドリーになっている、ある意味未来の姿を見せられるシーンでもある。
  • ピラニアの歌唱シーン。曲の入り方も署長の視線を逸らすための作戦であったものの、歌唱や前述のダンスを通してバッドガイズと人々の間の壁が取れる、重要なシーンでもあったり
  • 濡れ衣を着せられたウルフが教授に怒りをぶつけるところ。濡れ衣を着せられたことに対して怒った一方で、周りの人々からはかわいいモルモットを食い殺そうとする悪いオオカミとしか見えない(パトランプの赤い光も相まってより、攻撃的なように見えるのもGOOD)
  • ブチ込まれた刑務所で、服を着替える中で写真を取ったりするがウルフ会話をしながらもいい顔をきめたりと、表向きはシリアスながらもコミカルな展開が迎えられるところ
  • クリムゾンパウの演出。ここだけ特に2Dを意識してるのか、他のシーンに比べて陰影がほぼ黒く、アクションについてもクールなものが瞬間的に行われる
  • ボートでの脱獄シーン。海の上に建つ刑務所から巨大な爆発音がする中でドヤ顔なクリムゾンパウとバッドガイズが脱出する展開が瞬時に行われるのが笑う
  • いわゆる女子旅のシーン。モルモットが運転する車の下を瞬間的にすり抜け、電磁波を妨害する装置を取り付けるなどクールな洋楽と共に流れ最高にテンションが上がる。
  • ウルフとスネークが落ちながら和解するシーン。字幕だとスネークが「オレがガキみたいにすねるとでも思ったか?」というセリフが最高に好き
  • 作品を通して出てきたかぎ爪のついた銃がラストで登場、最後は全員一緒に助かるというシーン
  • ラスト、ウルフが「チチンプイプイ!」という掛け声でダイアンを乗せた車がかけより、ウルフが再び視聴者に話しかけるところ。「俺達のことわかってもらえたでしょ?」という問い掛けで車が街中という『社会』を象徴するような中に消えていく…という序盤の街から離れていくところとは逆の演出でラストを迎えるところ

伏線回収とか

バッドガイズは細かいところでの伏線が多く、それも含め二回目以降の視聴の楽しませてくれるなと
あと細かいセリフ回収やリフレインなど、演出的な側面での繰り返しも豊富なのが良い。

  • クリムゾンパウの言及。逮捕歴不明で正体不明という部分が後のダイアンにつながるというところ
  • 中盤で出る「古典的すり替え」が映画終盤で重要な要素となってくるところ
  • 伏線とは少し異なるけど、序盤で脱出しようとして失敗したかぎ爪の付いた銃が映画ラストで出るところ
  • 序盤、視聴者に語りかけるシーンで俺って怖いよな?と語るかけるが、ラストで同様に話しかけるところ。元々コミカルな性格であるが、紆余曲折を経て変わったウルフの良さに思わず涙してしまう。

最後に


とりあえずグッズは欲しいものを買った。
あとパンフレットの最後に長靴をはいた猫の劇場版が2023年に公開される旨があったのが個人的に驚きだし、少し救われた。
ドリワ作品で長靴をはいた猫がアメリカで12月に公開される一方で、日本ではマリオが春に公開されるので劇場公開できるタイミングがないのがネックだったけど流石にシュレックシリーズをDVDスルーにするわけはなかったかぁ…と思うと一安心だし、パラマウント配給時代から紡いできたバトンをユニバーサルがちゃんと受け取ってて嬉しい