【映画感想】カンフー・パンダ4で変わったところと変わっていないところ【ネタバレあり】

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ようやくカンフー・パンダ4のBlu-rayが出たぞ!!


念願のカンフー・パンダ4観ました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
韓国で過去の日記でも韓国で観たことについては触れていましたが、感想自体については日本でのリリースまでは控えておこうということで控えていました。褒めて。
当時韓国で観たときの感想については韓国で撮っていた動画の中の会話の中で収録されていたり、ボイスメモとして記録していました。初見で観たときの感想は大切にしていきたい。

感想

カンフー・パンダシリーズについては敵が出てきてそれを倒すという構造が基本お決まりであり、KFP4においてもそれが引き続き描かれておりますが、映画のシリーズの中では大きな変化を作品全体から感じました。
特にカンフー・パンダ4は「変わること」がテーマとして掲げられているのか、作品の内容からも、シリーズの雰囲気もガラリと変わった印象でした。

後述しますが、当初おまけ要素として出てくるのかな?と思っていたタイ・ランが重要なファクターとして出てきたのが個人的にカンフー・パンダ4における見どころかなと思いました。

ストーリーとか

テーマについては前述の通り、「変化」でポーが今までの龍の戦士から精神的リーダー(スピリチュアルリーダー)になるのだとシーフー老師から告げられるところから物語が始まり、それに対してどう決着をつけるかという話でした。
思い悩む一方で姿を変えられるヴィランのカメレオンを倒すべく、その手がかりをしっているキツネのジェンと旅にでるというシンプルなストーリーの中でポー自身が変わっていくという話でした。
一方で、テーマの反証として姿形は変わるが、目的達成のために変わらないことを望むカメレオンとの対峙があり、そんなカメレオンとの接触の中でポー自身が精神的リーダーに変わろうと決意する話でもある、一方で、カメレオンの弟子であり、悪事に手を染めていたジェンもそんなポーとの接触や変わろうとする姿を受け、彼女自身も変わろうとする話なので、誰がどういう役割で描かれているかというのがハッキリ描かれていました。
ポーが悪事を染めていても善人になることは遅くないとジェンに力説することでジェンの心の中の変化が劇中の中で垣間見れるところが個人的に心を動かすポイントだなーと思いました。

KFP4におけるタイ・ランの役割とか

カンフー・パンダ4の魅力としてはタイ・ランを始めとしたカンフー・パンダのヴィランが出てくるところでしたし、もっと言うと、「カンフー・パンダ4における真の主人公はタイ・ランでは?」と思いました。

予告が公開された当初はある意味過去シリーズに対してのサービスかな?と思っていたぐらいで、冒頭ではあくまでもカメレオンが変化した姿だったが、中盤から実際に魂の王国から呼びだれたタイ・ランがポーとタイ・ランに変身したカメレオンが闘う姿を通してタイ・ラン自身が変わる機会を与えられたという意味ではKFP4におけるキーキャラとしてメインを張ってくるところは個人的にKFP4における一番の見どころだと思いました。

劇中でタイ・ランに変身したカメレオンとポーが闘う姿をタイ・ランが客観的な視点から見ることでタイ・ランにとって自身が他者からみてどう映っているかというのを省みるポイントがきちんとあり、タイ・ランの心境が変わっていく様が映画終盤になって描かれているのが個人的に心動かされるところだなーt思いました。

カンフー・パンダ1では改心のチャンスを与えられたものの、改心できなかったキャラクターとして描かれていたが、4での再登場(あくまでも死んだキャラとしてだが)で改心のチャンスを与えられ、タイ・ランがポーに「龍の戦士として選ばれたのは間違いではなかったかもしれない」と認め、お辞儀をするところはカンフー・パンダ1で感じたモヤモヤポイントがなんとなく報われた気がしてかなり熱かったです。そんなただ敵をカンフーで倒すだけではなく、ヴィラン側が抱いていたものを改心させていくという意味でポーが凌駕した存在となっていくのがポーの変化としてもしっかり描かれていたので感動するポイントだったなーと感じました。

人によってはカンフー・パンダ1ではタイ・ランが「龍の戦士になるぞ!」と修行に励んだものの、龍の戦士にはなれず、挙句の果てにぽっと出のデブパンダに身を滅ぼされた流れが後味悪い感じとして残っていたものが公開から約16年経って報われる要素ができたのかな?と思いました。一時期後味の悪い映画ということでコピペがあったくらいでしたね。。

生きている側としてはジェンを初めとした盗賊側がこれから変わる話でもあるし、死んだ側としてはタイ・ランを初めとした過去作ヴィランキャラが変わるチャンスを改めて得る話が重なっているため、見る人によってはジェンが変わる要素というのが終盤になって霞んでしまうんじゃないかなーって思いました。

少なくとも自分は初見でみたときに後半のタイ・ランが改心するのがあまりにも衝撃すぎて、ジェンの存在意義が少し薄いかも?って思ってしまった。改めて観たらそうでもないんですが。。。

キャラクターとか

カメレオン

ヴィランのカメレオンについてはポーと同様にカンフーに対して意欲的であったものの、身体が小さいためにカンフーを教わる機会すら与えられなかったという意味ではポーと似たような立ち位置からスタートしているため主人公の写し鏡な存在でも描かれていたのでそのあたりはカンフー・パンダシリーズを踏襲していて個人的にニッコリポイントでした。

ピンさんとリーさん

2人の父さんズにについてもポーを心配する立場として描かれていて、カンフー・パンダ4におけるコメディパートをしつつもポーの冒険をサポートする立場として描かれていて良かったです。
カンフー・パンダ3ではパンダの里に籠もっていた立場だったリーさんが平和の谷に住み着き、冒頭ではピンさんの店の手伝いをする立場として描かれていたので3では描かれなかったパートが4で見れて良かったです。

戦闘には加わらないものの、ピンさんもポーに寄り添う立場として「変わることは悪くないこと」であることを諭したりとピンさん自身の軸がブレていなくてカンフー・パンダ4初見では泣かされたポイントでした。

センザンコウもかわいいけどジェンと仲違いしているかというのがあまりわかりにくかった

演出とか

カンフー・パンダシリーズ4作目ということで、過去作からのオマージュもかなり多かった気がします。特にジェンがポーと闘ったあとにポーに抱きつくシーンは2のオマージュ!!!!と思ったし、タイ・ランやシェン大老、カイ将軍やそのたマスターがポーに向かってお辞儀をするシーンは1ラストのオマージュ!!!!!!!!!!!!と思ったので過去作を知っている人であれば胸が熱くなるシーンがところどころに入っていて良かったです

変わったところ

マスターファイブが本編ででなくなったところ

1から当たり前のように出ていたマスターファイブが本編のストーリーには関わらなくなったところが大きいかなーとおもいました。メタ的な視点でみると脚本的に不要になりつつあるのでは?と思ってしまうけど、劇中では他の任務に忙しいという理由で出演しなくなるのとおまけ的にエンドクレジットのところで出てくれてはいるので、決して蔑ろにされてはない…と思いたい。
マスターファイブがメインを張らなくなったものの、「カンフー・パンダ」というタイトルである以上根幹の部分は筋として通っているので人によってはモヤモヤするポイントの一つかなーと思った。
ただ、そのかわり、ジェンの登場で人物の役割がかなりハッキリ描かれるようになったので、そういう意味ではキャラクターに感情移入するポイントがわかりやすくなったのかなと思います。

変わっていないところ

個人的に嬉しいポイントなのがポーが劇中で「Who am I?」と言うところで、カンフー・パンダシリーズについては多分全て言っているセリフのハズです。
カンフー・パンダシリーズについてはカンフーというよりも、根底には「ポーの自分探しの旅」が根底に含まれている気がしてそういった人生の旅路を通して「自分が何者であるか」という思想が込めれているのでは?と思っているところがあるので、その根底的な部分を裏付けるセリフが聴けて良かったです。
色々と劇中では変わっているものの、軸としては変わっていないところはあるため、シリーズ通して好きな自分としては嬉しかったところでした。

シリーズ化するにあたって勢いがなくなるというのはあるあるなので、そういった勢いがどこまで続くんだろうというのは思ってしまいますね。。

その他

  • 3だとフルCGのみならずフラットな演出が多かったが、4だとそれが薄くなってしまった印象。。
  • ネズノキ都(英語だとJuniper City)で使われている看板がそれぞれ違ったりと背景美術的には結構見どころのあるシーンだった
  • ネズノキ都の背景美術がいいのよ、、

    屋根が乱雑に並んだ感じとかね、萌えですね

    ここの光の使い方が絶妙に好き

  • 崖にぶら下がっているポーとピンさん、リーさんがどうやって崖から這い上がってきたかが謎だった
  • カマキリが結婚したけど嫁から逃げているのシーンでカマキリの人形の首が切られるシーンでKFP勢が予見していたポイントが現実に????と思ってしまった
  • シェン大老がぐぬぬって顔をするシーンがあるが、個人的に「大老はそんなキャラじゃねえ!」と一瞬思った
  • ポーを裏切ったジェンに対して2人の父さんズがめちゃくちゃ厳しい目線だったのがちょっと笑った。まあそりゃそうなるよなんですが。
  • ジェンが隠れ家の人たちに対して「悪いことをするために悪いことをしよう!」と協力を仰いだがそのあと彼らがどうなったかが描写されていないのがモヤモヤだった。このあたりはなんとなくこのあたりは中途半端になったなあって印象

終わりに

自分はカンフー・パンダ3が始まるぞ!!ってときにカンフー・パンダシリーズにハマり、リアルタイムで追いかけてきた身でしたが、なのでそのなかで新作の映画がこのタイミングで出ると逆に4は軸がブレていないかとかという意味で大丈夫か????と思ったところがあったので、観る上ではワクワクもあり不安もありな状態でしたが、やっぱり観れてよかったです。
韓国にKFP4見に行った身ではあるけど、結構する前は「昔ほど熱はあるわけではないし、別に韓国行くほどでも…」と思っていたけど色々と要素がなんだかんだ映画作品としても楽しめたし、映画館でも楽しめて良かったと思いました。
いやもちろん日本でも劇場公開してほしかったけどね。。。
このあたりはレポ漫画で出そうと思っています(宣伝)