かたつむりのメモワールを観た
アカデミー長編アニメーション賞のかたつむりのメモワールを観ました。アダム・エリオットの作品は初めて観たのですが、作品のデフォルメ具合と異なって中身は下ネタだったり偏見や差別や人の心の闇みたいなのが如実に出ていて結構度肝を抜かれました。
デフォルメされたデザインからかたつむりの擬人化したようなキャラなのかなと思ったらキャラは普通に人間でかたつむりの魅力に取り憑かれたグレースとギルバートの姉弟の話でした。作品序盤で生き別れになり、グレースはかたつむりのグッズを盲目的に買い漁るような執着した状態になり挙句の果てに本人の満たされなさから万引きをするようになったりとテーマとなっているかたつむりに対しての執着から、ピンキーというお婆さんの死をきっかけに執着から離れ一歩前に進むという話でした。
終盤まで展開の切り替わりはあるものの、鬱々とした展開が進みどう決着つけるんだろうと思いましたが、ネガティブな雰囲気の中でも前に進んでいこうと思えるようなメッセージ性とかが込められていて、鑑賞後の感覚としては気持ちよくなれるような感じでした。
作品の中で使われているパッケージとかイラストとかは可愛らしい一方で暴力シーンは容赦なかったりするので作品の細かいところを鑑賞するのが楽しいのと、序盤に出てくる小物たちが後の中盤に出てくるような小物だったりするので、二回目鑑賞も面白いかもしれない。
ドッグマンを観た
彗星のごとく急に配信されたドッグマン 鑑賞後にファンアートが出てきてなんだかんだ気になってはいました。
予測していた通り、日本の劇場公開はかなわなかったものの、今回に限っては配信のタイミングが早かった。6ヶ月くらいで配信された?
感想としては全体的に展開が早く、本編80分の割に内容がぎゅっと詰まった感じの作品でした。展開や設定に関してはキッズ向けではあるものの、なんだかんだ敵のピーティーの心情にフォーカスがあたってはピーティの心情を深堀りする描写が出たりと親子含めて気軽に楽しめそうな作品ではありました。
描画的にはロズから更に絵本風に落としたかのような3DCGの描写と色使いの良さがあるので、3DCGアニメーションの可能性の一つを探るような話ではあると思いました。
個人的にちょっと物足りないなーと思ったのはネコのピーティがどうして世界征服を企むようになったかの背景に家族を捨てた父親の存在があり、それをリトルピーティ(ピーティのクローン)が引き連れてくるので、そういったわかりあえなかった親子の対峙が出てくるのか…?と思ったらそのまま平行線で終わってしまったので若干の勿体なさを感じました。
展開としては容易に想像はできるものの、主人公のドッグマンよりかはピーティに感情移入の要素があるような作品でした。というかドッグマンは基本喋れないので全体のムードメーカーな雰囲気でしかない。
ちなみにドリワロゴのアニメーションで、予想通りバッドガイズのキャラが差し替わってロズになっていたのでちょっと涙出た。キラリ(幼少期)といっしょにいる…。
おまけ
USJ行きました。ドラえもんのアトラクだけ体験してかたつむりのメモワールを見るためにすぐに移動しました。
かたつむりのメモワール見るために大阪ステーションシティシネマ行きましたけど、立地が羨ましい…って思いましたが大阪駅とはいえビルの11階にあるので移動がなかなか大変だった
岡山県立美術館
大阪から岡山に行って岡山観光してたのでちょっとだけ書きます。
森本美由紀という女性誌とかでよく取り上げられていたイラストレーターの原画があってなかなか刺激受けました。女性のシルエットが美しく描かれており、全体的な曲線美に惹かれました。岡山ということで備前焼で作った香炉も展示されていて結構新鮮な気持ちで鑑賞できました。
岡山市立オリエント美術館
古代オリエントの収蔵品にフォーカスをあてた美術館でなかなかほかでは観られない収蔵品が多かったです。基本は撮影禁止だけどロビーにあるシリアのモザイク画のあたりは撮影OKでした。ハンムラビ法典のレプリカがあったりと、多少世界史をかじっているなら聞いたことあるようなワードがちらほら出てくるので、そのあたり知っているより楽しいような空間でした。
解説も多かったのでなんだかんだ滞在時間は長かったです。