【ネタバレ込】ヒックとドラゴン 聖地への冒険【感想】

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おかえり、トゥース


観ました。といいつつ、自分は気が狂って台湾でも観ていた身なのですが、やっぱり日本のありふれた映画館で観れるほうが全然いいです。終わったあとの観客の反応もみれるし、売店でパンフレットやグッズも売っているし、映画館に訪れては映画を観て知らない人と作品観たあとの感覚を共有する一連の流れの醍醐味を久しぶりに感じられましたわ…。

感想

トゥースが絵を描くシーンとか

三部作の集大成とは最高の出来で、1、2あってこその聖地への冒険でした。特に言いたいのが、トゥースがライトフューリーの気を引こうと、絵を描くシーンが本当に最高で、かつての1でヒックがトゥースの絵を地面に描いたことがきっかけでヒックとトゥースの距離感が近くなったように、かつてのヒックの行動がライトフューリーの気を引く大きな要因となっているのがたまらないんですわ…。かつてのヒックの行いが皮肉にもヒックとトゥースが別れることに繋がるのが最高に切ないですが、そこがヒックとドラゴンの魅力でもあるんだなあと感じられるシーンでした。
ヒックとグリメルが落ちるシーンも、ヒックが義足であったことでグリメルが海に落ち、ヒックがライトフューリーによって救われる(しかも、ライトフューリーが首を曲げてヒックを見るシーンがかつてのトゥースと重なる)シーンも、ヒックが義足でなかったらヒックも救われなかったのが伺えてテンションあがりました。

ヒックとトゥースの関係性とか

ドラゴンと一緒にいるから頑張れるといった1と2のテーマから、ドラゴン無しでも頑張れるといった人間の真価を描くテーマもよくて、1、2で語られたドラゴンと一緒にいるから頑張れる(=ドラゴンがいなかったら頑張れないのでは)から、ドラゴンがいなくても頑張れる位成長しているのも最高なんですね…。劇中でも、トゥースがいたから頑張れたからではなく、本来の自分の魅力を引き出したのがトゥースであって、自分の中の価値はちゃんと存在していたというのが、ヒックがこれからトゥース無しでも生きていくスタートでもあるのがわかって最高ですね…。

事あるごとにヒックを見つめるトゥースとか

ヒックがトゥース単独で飛べるよう尾の尻尾を作るシーンも、トゥースが単独で飛んだあと、ヒックのことを見つめるシーンも、言葉無しのコミュニケーションの中で、トゥースがヒックのことをいかに信頼しているかが伺えて尊い気持ちになれますわね。
別れのシーンも、最後までトゥースがヒックのことを見つめているのが、切なくて、好きなんですね。ヒクドラシリーズを履修しているとそれはすごく当たり前に思えてくるのですが、かつてのヒックにとっていた態度からすごく変わったなあと思います。1とかだとヒック無しで飛ぼうと、ヒックを振り落とすシーンもあったくらいですし。

ストイックとヒック

2で死んだストイックがかつて遺した言葉が劇中でヒックを動かす要因になるのが、泣けてくるんですね・・・。あるかもしれない聖地の存在も、ストイックの言葉によるものだし、ヒック自身がトゥースとライトフューリーの愛を阻害している要因になっているシーンも、ヒックの母がいなかった時期に、ストイックが遺した「愛が時に苦しみを伴うが、美しいもの(うろ覚え)」によってヒックが別れを決意するのも、ヒックの中でストイックが生きているのかなと思うと、映画観てからずっと反芻してるんですね。
生きた人物としては登場しなくても、ヒックの記憶の中にはいたり、ラストの結婚式でもストイックの像がヒックとアスティの式を見守っている感じなのがたまらなく最高でした。ちなみにかつてドラゴンがいたことを遺すかのうに、ヒックやアスティがつけているエンブレムもドラゴンがかたどってあったり、ストイックの像の下にヒックとトゥースと思われる絵が彫られているのが最高ですね。

ラストとか

ラストでヒックとアスティの子どもたちがトゥースに初めて触れるシーン、かつてのヒックが目を合わせず手だけを出すシーンと同じ動きをしてるのも感動なんですよね。特に息子のほうはかつてのヒックを思い出すような反応していて、手も震えながらトゥースに手を出しているんですね・・・。
いつかまたドラゴンと共生している日が来るかもしれない、でもヒックが生きている世代でそれが叶うかはわからないのが切なくも、未来があるラストですごく好きなんですね。最後のカットも、ヒック一家とトゥース一家が空に向かって飛んで行くシーンのあとに「How To Train To Your Dragon THE HIDDEN WORLD」のロゴが画面一杯に出てくるの、言葉にできない良さがあるんですね…。

感想(2020/01/02追記分)

ヒックとグリメル

色々と他の人の感想にも書かれていますが、グリメルの生き方が歪んだのが、「ナイトフューリーを殺して村から称賛を得た」と言ったのが、完全にヒクドラ1でヒックが歩まなかった道を辿った人物なんだなあ…って思わされました。ニュアンス的に、グリメルも幼少期は村から称賛されずに生きてきた境遇の中、ドラゴンを殺したことで承認欲求が増大してドラゴンハンターとして名を連ねるようになったのでは…とか考えます。
ナイトフューリーは一途であるとか、ドラゴンの生態を知り尽くす姿は、かつてのヒックが歩んできた行動そのものに近いし、ただヒックとグリメルの違いは殺すか殺さないかぐらいなので、2のドラゴと違った怖さがありました。敵もいつ出るんだろうと思ったらヒックの家でお茶を飲んでいるし、奇襲攻撃のかけかたもピカイチな感じがしてある意味流石ですわぁ・・・と思いました。

ラストの村とか

ラストのヒックとアスティが結婚式するときの村の装飾にドラゴンがデザインされていて、かつてドラゴンがいたことを象徴させるような装飾がすごく泣かせに来るんですね…。ドラゴンはいないけれど、ドラゴンがまるで守ってくれているかのようなデザインがすごく涙腺にきます。
ラストのヒックの語りで、かつていたドラゴンが聖地にいるっていうのも、おそらくヒックやアスティに限らず村の皆で知っているんだろうなってセリフからなんとなく推測しました。世界が平和になるまで、また人間とドラゴンと共存できるように、ヒックやアスティに限らず村の皆が世代を超えて願っているのではないかと思うと切なくも未来あるラストだなあって思えてきて、最後の最後までヒックとドラゴンの魅力をブレずに突いてくるなあ…と思いました。

ラストでヒックが見せる表情とか

ラストでヒック一家がトゥースに乗ったとき、ヒックの息子はすごくワクワクした表情してる一方で、ヒックは懐かしげな表情浮かべながらトゥースに乗っているのが本当にいいんですね・・。それを踏まえながら、グリメルと戦っているときに、トゥースに乗るヒックのシーンを観ると、これが最後のライドなのかァ・・・とい気分にさせられます。こうシリーズ通しておなじみだった飛行方法がすごく感慨深いシーンになるんですよね…。

細かいネタとか

・聖地のシーンで2で出てきたワイルダービースト(黒い)ほうがいたのですね。角が片方なくて、金属みたいの巻いてたから完全に同一種ですわぁ…

配給とかPR周りとか

正直、配給が東宝東和へ変わったとはいえ、2作目をやっていない作品を上映するとは思えないと思っていたのですが、それをやってみせる配給に感謝でしかないんですね…。映画業界なんて厳しいからリスキーなことは日本流にアレンジしたり、PRしたり、最悪公開自体やらないというのが多いから仮に上映したとしても縮小した形(一部のシネコン系列限定とか)でやる位だろうって思ったらでかでかと電車広告やCMうったりしてるのが、自分の中で驚きだったんですね。
あと映画本編始まる前に、これまでのあらすじを簡単にやってくれたのが良いですね…。映像自体はあまりにも簡素すぎたのですが、1やったのも2010年だし、2はやらなかったし、そういったブランクを埋めようとする姿勢が伺えて、もうその姿勢だけて色々涙でそうになるんですね。
あらすじ終わったあとに「映画本編をお楽しみください」といった文言が出て、そこで声出そうになるくらい涙でました。なんというか、東宝東和になったとしてもヒクドラはやらないかもしれないという疑念からようやく開放されたものを感じたんですね…。

会えばきっと、好きになる

日本版で一番好きなキャッチコピーなんですね。キャッチコピー自体、未見の観客に問いているのもあるし、劇中でいうヒックとアスティの子どもたちにも問いている感じがして、色んな解釈ができるキャッチコピーだなと思いました。
文言的に、押し付けがましくないし、かつ作品を尊重した感が伺えてそのキャッチコピー反芻するだけで涙出てくるんですね…。

その他


どうして前もって描かなかったんですか?(反省)