【映画感想】ユニコーンウォーズを観た【ネタバレあり】

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ユニコーンウォーズを観た

観ました。都内でも品川と渋谷の二箇所!?って言ったら地方民から刺されそうですが、なかなかのハードルの高さでした。

感想

森を追い出されたテディベアとそれに対峙するユニコーンの戦いの話。テディベアの兵士たちは森から帰ってこない兵士を探しに森に入るが色々凄惨なことに巻き込まれていくが…な話。

全体的にはグロシーンやトラブルのシーンが多いなかで、主人公のアスリンが抱えるコンプレックスがだんだんと肥大化し、クライマックスを迎えるという初見ではとても想像のつかないような感じの展開続きでした。
オチについてもかなり尖っており、一言でいうと「奇作」な作品でした。

キャラとか

アスリン

基本は弟のアスリンの目線を中心に進んでいくが、アスリンの存在がなかなかに強烈で、双子の弟など「二番手」をコンプレックスに持っており、嫉妬深いタイプで劇中の人物の中では一番人間臭いキャラではあるかなとは思った。
新兵同士の訓練でも一番スキルのあるやつを妬んでおり、死人に鞭打つように追い打ちをかけるなど、なかなか酷いことをする。
。一方でアスリンは母親から距離を置かれている(そう思い込んでいるだけ)のか贔屓されているということに根深い感情を抱いており、母親が飲むドリンクに農薬を混ぜてしまうサイコっぷり。
どことなくアスリンとその父親は信頼し合っているのかパイを差し出すときもアスリンのほうに4分の3サイズをあげ、ゴルディにはその残りを差し渡すなど、血のつながりはあるが極度な贔屓っぷりがなかなかなエグさを感じてしまう。
アスリンと父親は肌の色が同じなせいなのか兄に対して一番になれと忠告。一方でアスリンは母親に愛人がいることを知り、そのことが余計にアスリンの不信感を募らせてしまったのか、同じ血縁同士である兄貴がおねしょをしたときに馬鹿にする(本当はアスリンがしたかもしれないが)あたり、とにかく性格がねじ曲った人物ではあるが、この映画の面白さを語る上では外せない人物ではると思った。

ゴルディ

一方で兄貴のゴルディはトロイながらも運がいいのかなんだかんだ最後まで生き延びたり、母親からも贔屓されたりしている。
仲間がほぼ全滅したが、バイタリティはあるのか森の木の実を食べ、ユニコーンの怪我を直したりと平和的な人物ではある。トロイながらも人を不幸な目にハメたりといったことはしないため主人公肌という意味では兄貴のゴルディのほうが適任ではある。

人のような「何か」

視聴者は軍に所属したクマの兄弟を中心に展開が進み、クマとユニコーンの戦いの末を見届けることになるが、個人的に衝撃だったのはラストで、死んだユニコーンの死体からよくわからない怪物のようなものが生まれ、(しかも猿はそれを崇めている感じ)アスリンとゴルディを飲み込んだかと思いきや、人のような形になり、猿はそれについていき終わる…といったラスト。
今までやっていた聖戦やら、聖書やらは何だったの???といったオチでエンドロールの観ながらあれはどういう意味だったのかというのを繰り返し思ってしまった。
「人のような何か」というのが重要であり、ユニコーンという聖なる象徴や聖地の森を取り返すために闘おうとするクマを飲み込んだあたり、「人間」というすごく泥臭い形の何かが自立して歩いているという部分はなんとなく理解はできるが、それについていく猿の存在がかなり謎ではあるとは感じた。

人類の歴史をメタファー的な視点で描いているようなするが、結局は力のあるものに対し、猿という知性のない動物(モブとか自身の手で考えない人)はただついていくしかないという力の関係性をラストは描いているのかなと思ってしまう。ただ本編とのドラマとの因果関係については薄いから違うような気がするけど。