ブルースカイスタジオの最新作『スパイinデンジャー』がディズニー+で公開されました。
元々は5月に劇場公開の予定だったけど、コロナの影響でやむなくディズニー+で配信という悲しみ、、ですがかつての配給元である20世紀フォックスからディズニーに移ったことでブルースカイ・スタジオ作品の扱いの差が良くなったという事実だけで色々テンション上がります。
かつてにドリワ作品もそうでしたが、配給が変わるだけでこんなに扱いが変わるんだなあと思ってしまう。ブルースカイスタジオはブルーシリーズとかフェルディナンドとかディズニーやドリワとは一風変わった作品が多いですが、これを機にブルースカイスタジオの作品を見てくれる人が増えると嬉しいなあ。
感想
全体の話でいうと、スパイinデンジャーは、自分が見てきたブルースカイスタジオ作品の中でもかなりまとまりのいい作品なんじゃないかと感じました。個人的に1、2を争うくらいすきです。予告を観たときはスパイがうっかり鳩になるギャグテイストなものぐらいにしか考えてませんでしたが、本編をみると、ギャグをしつつもキレッキレのアクションシーンが多かったり、展開に飽きがなかったりとで各登場人物のバックグラウンドや心情が折り重なったり、セリフ回しや伏線の張り方がうまかったりと一つの作品の中で非常に完成度が高いなあと感じました。
平和的な解決を望むウォルターと、その逆をいって危険な武器を用いるスパイのランスの立場の違いも、バックグラウンド踏まえて説明してくるあたり物語の解像度を広げているなあと実感します。
ウォルターの想いである平和的な解決と、この作品の象徴であるハト(平和の象徴)がうまく組み合わさっているんだなあと視聴後に感じました
ストーリー
特に伏線の張り方が最高でした。ウォルターの発明品が思わぬところで役に立ったり、ハトの生態を利用した解決方法とか、ところどころあるピンチをユーモアある解決法で切り抜けるあたりが飽きさせず結末まで楽しませてくれます。終盤の敵との戦いも、各キャラの信念を崩そうとしないあたり、全体の筋が通っていてよかったですし、違和感なく感情移入できたのでところどころで泣きました。。
キャラとか
インドア派で天才だけど周りから変人扱いされるウォルターと一流のスパイという組み合わせが最高でした。
特にウォルターについては幼少時代から発明品を作っているものの、警察官である母親が殉職したというバックグラウンドから平和的な解決を望もうとする思いが強くなっているあたりが説得性を増している感じがしてビビっときました。一方でランスは悪人の前では目の前で善人も亡くなった経験から平和的な解決では解決できないという信念でスパイ活動をするあたり、お互いの立場の違いに重みがあって良いなあと思いました。
ウォルターのルームメイトであるメスのハトもセリフはないものの、アクの強いキャラだったり、途中からついてくるハトの仲間も癖が強かったしつつも頼りあるところがあったりで魅力的なキャラが多いです。
舞台とか
色々びっくりでしたが序盤で日本(岩手県)が出てきたり、メキシコのリゾートホテルやベネチアが出てきたりと、視覚的に楽しませてくれる要素があったり。岩手の城にヤクザの拠点がある設定で色々笑ってしまう。
視聴前に観たツイート、これがスパイinデンジャーのワンシーンだと思わなかった。。
お、これはなかなか高得点な「外国人が考えた日本」が出て来たな…! pic.twitter.com/NgfoI1eFI2
— 沼底なまず3D (@eenamazu) July 10, 2020
その他
- ウォルタ-の吹き替えが田谷さんというのが最高だった。ヒックとは少し違う声色でウォルターを演じているというのも最高だった
- ディズニー+配信作品でブルースカイ・スタジオのロゴが観れるというだけで涙出てきた。多分スクリーンだったら泣いてたと思う。なんというかもうここ数年の呪縛から解き放たれた感じがして序盤からウルっと着てしまうのよ(かつてのブルースカイ・スタジオに対するオタクとしては)
- 序盤に流れるOPも海外アニメ映画にしては珍しいなあと思った。初見でみたときにワクワク感がすごかった。
- ブルースカイ・スタジオでおすすめはフェルディナンドとブルーシリーズなので観てください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
総排出腔というワードを聞けるファミリー映画、スパイinデンジャーだけでは
— ねぎぎ (@negigi) July 11, 2020