最近観た映画とか
バービー
公開前に色々騒動があったが、映画の本質とは関係ないので鑑賞。公開日初日かつ祝日に観たので人は多かった。
バービーという女児向けの玩具から得る感情をポジティブなものからネガティブなものまで引き出し、バービーの商品ラインナップや持ち主の使い方がそのままバービー達が住む世界のバービーランドに反映されている、設定の練り込みさは感動した。
内容的にはバービーの持ち主の心の変化がバービーの体型に反映され、持ち主を探しにケンと旅するが、バービーランドという女社会の中で社会的地位を獲得できなかったケンが現実社会で男性が活躍する姿を観て色々とおかしいことになる(闇落ち?)話。
女社会のの中で蔑まされるケン(男性)、男社会の中で蔑まされる女性(バービーの持ち主の母親とか)の対比があり、ケンに乗っ取られたバービーランドをどう取り返すかという話。
男の自尊心を弄んで煽らせるのよ❤みたいな作戦がなんともホモソーシャルな中で順位争いをする男性の心理を活用している感じがすげぇなと思った。
ある意味、ケンも裏の主人公であり、ケンはケンらしくあれといった話ではある。
いじわるな言い方をすると、X(Twitter)の一部ユーザーの意見を織り交ぜつつエンタメ要素を混ぜた映画で、シリアスとコメディのバランスがなんとも絶妙だった。
バービーの生みの親も出てきて、脱税したことさえもネタにするのはなんというかすげぇなと思った
時代的にも女性の自立を中心に語った話ではあり、アカデミー賞ではどんな賞にノミネートするか気になるがは気になるところ。
クレしん
3DCGによるクレしん。最初は違和感があるが、段々慣れてくる。
いつもハズレくじを引くような派遣社員の男が超能力パワーを手に入れ、一方でしんちゃんとひまわりも超能力を手に入れ、お互いがぶつかるといった話。
ラストでは暴走した敵の男の過去の記憶(両親が仕事で家におらず、一人で食事を食べる、同級生からカツアゲされるなど)にしんちゃんが歩み寄るシーンが個人的には一番涙ぐましいシーンであった。
過去の記憶では、男の身体年齢は上がっていくがしんちゃんは5歳児の姿のままであるのは、しんちゃんが永遠の5歳児という、ある意味しんちゃんの作品そのものを象徴しているような気がしてしんちゃんを観てきた大人世代んへの訴えでもあるかのような演出でぐっときた。
孤独な少年時代だった男の幼少期に、しんちゃんがいてくれたらどんなに心強いかといったものを演出で見せてくれた感じがしてすごくよかった。
ただ、物事が解決したあとで、ひろしがなんとなく名言的なことを言わされている気がしてなんとなく違和感を感じてしまった。
あとしんちゃんが仲間って言葉を使うのもなんだかなーと思ってしまったので、ところどころ作り手の意図が嫌な意味で見えてしまうといったものはあるかなと思ってしまう。
ここだけ取り上げたようなツイートもときどき観られるのでそこだけ切り抜くと観に行かなくてもとは思ってしまいそうだが、EDの演出が原作ベースで作られてたりして、ところどころの作り込みはきちんとしているので、見てほしいなとは思う。
ドラえもんやクレしんの映画を観に行くのはある意味ギャンブル的な行為だと思いながら見ている
サンドランド
前に電子書籍で買って読んでいた鳥山明原作の漫画が映像化したのでありがたい。
観る前に原作を読み返したが、淡々と冒険が進む印象なため、映画だとどう演出をつけるのかなと思ったところ、戦車同士の闘いのシーンや、肉弾戦についてはアニメーションならではの良さを活かしているので良かったなと思った。
ラストシーンはいい感じに改良されており、ラオとゼウの闘いがきちんと描かれているのが筋が通っていていいなと思った
序盤についてもなぜラオが魔物の住むすみかになぜ行こうとしたのかというバックグラウンドがシーンを通して描かれていて原作とは微妙に構成が異なっていたりと丁寧ではあるとは思ったけど、未見の人が見たらどうなんだろうとは思ってしまった。
声のイメージについてはピッタリで、違和感なくしっくり観れたなあと思った。
LIFE!
10年くらい前にNY旅行いった際に機内でみて号泣した映画。
改めてみたらどう思うか、と思って鑑賞しましたが、内容的にコテコテの泣かせるセリフがあるわけではないものの、主人公の周りにいる家族の暖かさとか旅の途中で同行する船の乗組員などに支えられて移動している感じがなんとなく泣かせにくる感じではある。
大げさにいうとロードムービー版君たちはどう生きるかみたいな。
構造的に妄想癖な男がネガを探しにNYからグリーンランドに旅立ち、最初は妄想癖に助けられながらも前に進んでいくが段々と妄想はしなくなり、リアルな旅を観続けていく…といったもの。
主人公はパッとしないみたいな言われではあるが、そんな主人公の、無意識にやっている一瞬の出来事を会社が契約しているフリーランスのカメラマンはカメラに収めており、それが発行される最終号の雑誌の表紙になるといったシーンが味わい深い。
元の小説もあるので図書館で取り寄せてみました。短編なのですぐ読める・・はず
読んだ本とか
僕の美しい人だから
高校生時代、午後のロードショーでラストシーンだけみてヒロインの「油まみれになって働いている~」という低賃金を象徴させる一言に設定や心情が凝縮されたセリフに当時感動したのが強烈で、偶々図書館を漁ったところその原作本があったので読んでいた。
主人公が若手の広告代理店の男性の立場からなので、心情としては伝わってくるし、ラストでヒロインと一瞬別れるシーンに対しても一瞬の行動が彼の保身的な部分を映しているなど、男女心境の変化が文章を通して伝わってくる感じがして面白かった。映画についてもきちんと観たいけど買うなりしないと見れないのでどうにかしてみないと。。
ちなみにこの本を去年の10月から借りて、返してはを繰り返してようやく完読できた。