【映画感想】スノーベイビー【多少ネタバレあり】

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スノーベイビー観ました。

スノーベイビー観ました。正直、劇場で観たかったというのはあるのですが、おそらく最初スノーベイビーを公開する枠にヒクドラを入れたために、やむなくスケジュール上の都合からDVDスルーになったのかな…と推測したり。というのは東宝東和の映画スケジュールのパンフレットで、2019年12月にスノーベイビーの名前が入っていたのですが、気がついたらその枠がヒクドラになっていたという…仕方ないし、日本でヒクドラ観られるのは大きかったので、結果オーライでしたがユニバーサル系列の中で競合しないように映画のスケジュール組むのが今後のユニバーサル配給映画(特にイルミネーションやドリワ作品)の課題なのかなーと思ったり。

感想

ストーリー

  • あらすじをざっくりいうと、幻のイエティを家(エベレスト)に返すロードムービー。道中、敵に追われながらも、中国の楽山大仏や羅平など様々なスポットを巡る映画
  • 全体的に子供向けな感じで変に難しくさせないところはいいなと思う。序盤の展開は速いので、人物の関係性がちょっと把握しづらいものの、後半になって段々登場人物に対して感情移入するようになれる。
  • 序盤はわかりやすい敵の存在と、少し急すぎる展開(物語すすめるにあたって強引に進められてないかな?)というところがあるけれども、中盤あたりから、旅を同行する男の子が離別したあたりから面白い。
  • ロードムービーということだけあって、中国のスポットを巡るのですが、中国の漁村の風景だとか、楽山大仏だとか、自分の知らなかった中国がまだまだあるんだということに気付かされる。正直、コロナウイルスの影響で旅行に行けないご時世だからこそ、ファンタジーな雰囲気の中で旅した気分になれるかもしれない
  • 伏線の張り方が好き。あんまり伏線という伏線が無いかなと思ったら、実はそうでもなかったという見せ方に正直ラストの室外機にエベレストの手の跡が残っているシーンは予想できなくてウルっときました

キャラクターとか

主人公:イー

ステレオタイプな女の子とは違い、いわゆる3Kというような汚れ仕事でもお金を稼ごうとするタイプの子。道中、女の子だから~こうするといったものを感じさせず、あくまでもイー個人はこういう人間なんだということを無意識的になじませてくれるなあ~と言ったのが第一印象。
序盤で、家族と距離を置いて仕事に没頭しているのも、死んだ父親のことを忘れようとしてわざと忙しくしている(お金を稼いで父親の行きたかった箇所に行きたいというのもあるけれど)というのが、あの年の人物にしてはすごく重いなあと感じたり。そういった旅をしながら普段の自分の行動を指摘したり、指摘されながら、自己の成長に繋げていく流れがすごく良かった。

ジン

個人的に医学部志望のジンがお気に入り。
最初、嫌味ったらしい医学部志望で自分の靴が汚れるのを嫌がり、他人からの評価を気にするやつかと思えば、道中、主人公たちと離脱した後に靴の汚れを気にせず、主人公たちに機器を知らせようと奮闘する立ち回りになっているのが良かった。おまけに医学部志望なのも、医者になりたいからではなく、白衣を着てチヤホヤされたいからではと指摘されてるところもお気に入り。
バスケ好きのペンについては良くも悪くも不動というところ。ちなみにペンの声の人がペンそっくりだった。
収録期間が長引いたためにペンの人が声変わりしたために、序盤で収録したペンの音声を調整したのだとか。特典映像の中で確認できます。

舞台とか

大都会な上海から千島湖、黄山、菜の花で有名な羅平や楽山大仏を巡るのが見どころ。カンフーパンダで描かれる古代中国も素晴らしいけど、ロードムービーということもあって現代中国はまだまだ見どころあることに気付かされる。ちらっと出てきた漁村も湖南省という設定だったり、色々細かいなあというのが感想。

その他

  • ドリワ映画というか、海外アニメ映画では珍しくエンドクレジットにも後日談の描写が仕込まれているのが見どころ。
  • ドリワ特有?の裏切りかキャラ変貌が個人的に作品を面白くさせている
  • 湖南省の漁村を訪れるシーンでヤクに会ったり、ゴビ砂漠でカメにあったりとどうでもいいところでカンフーパンダみを感じてしまう
  • 総合的には若年層向きの映画かなと思ってしまうけれども、AbominableやEverestといった原題だけで何年もチラつかされた身としてはようやく公開してくれて嬉しい…といったところ
  • タイトルのAbominableの意味にもやっとするのですが、西洋だとイエティを”Abominable Snowman”を言及するところから着ているのかなと思った。
  • 作品としては全体的にファンタジーだけど、作品の結論としては、大衆はイエティに対して偏見や誤解を持ってしまうから人類とは距離を置くべきと元登山家のバーニッシュが現実味のある言及をするあたり、ファンタジーと現実のギャップが凄まじいというのを後々になって感じた。ファンタジー溢れる感じな雰囲気に反してAbominabe(忌まわしいとか嫌なとか)というネガティブなタイトルをチョイスしたのも、興味深いなあと思ったり。