【ネタバレ有り】長ぐつをはいたネコと9つの命を観た

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見まんた。執筆時点で2回(吹き替え➝字幕)見た上で感想を述べます。

テーマ性とか

一回目の吹き替え鑑賞後は率直に言うとストーリーは王道な冒険譚で意外性を感じるところは少ないかなという一方でシュレックの中のおとぎ話を詰め込んだファンタジーの中で死人が容易に出たり、マイルドながらも流血表現が出たりと、後から反芻して作品の根底に「死」を持ち込んだ挑戦作なんだなあと感じ取りました。
王道なストーリー展開ながらも、大人の鑑賞者ですら恐怖感を感じるような演出や恐怖感がプスの表情などを通してビンビンに伝わってきました。
恐らくファミリー向けでありながらもそうしたテーマ性がアカデミー賞ノミネートの選定の理由になったのかなと推測してしまう。

テーマや教訓というところでは死と隣り合わせだけど(仲間と共に)恐怖をこえて生きていくなところかなと思いますがそれに至るまでの過程がエンタメ性交えながらうまく繋がっているなあと思いました。

ストーリー

プスの他に願い星を狙ったキティやゴルディと三匹のクマ、ジャック・ホーナーが願い星を求めて争奪線となるがジャック・ホーナーを除いては願い星に願わなくてもかなっていることに気づき、プス自身は9つ目の命で自身をレジェンドという孤高の存在として固執せず生きていくことで一つしかない命を大切にしながら生きていこうという形に終着すると平たく言うとありふれた感じの流れなのでそういう意味では若年層も理解しやすいのかなと思った。

ウルフとワンコについて

ウルフについては重要なファクターを占めるキャラであるかなと感じていて、自身で死のメタファーではないといいつつ彼自身死神として存在はしているものの、命知らずな人物の命を刈り取ろうとするスタンスで生きているのか実質死神みたいなことをしているなあと感じた。
スタンスの関係でそうなっているため、自称死神といってもいいかもしれない。

一方でワンコの役割としては生の象徴 を感じるキャラであるなあと感じた。
ワンコが罵られ、石と共に川に投げ込まれた凄惨な過去を持ちながらもセラピードッグになるという夢を持って生きようとしている、ポジティブな意味で怖いもの知らずなんだろうなと思った。
映画序盤でプスが「お前なんか触らない」とワンコを拒絶していたものの、プスがウルフへの恐怖感を感じて動悸が激しくなったが、ワンコに触れることで動悸を抑えていったシーンが、ワンコが夢を叶えたシーンでもあるし、プスにとってはワンコを通して「生」の力を貰ったんだろうなと思える瞬間だった。2回目の鑑賞でそれに気づいて泣いてしまった。
『長ぐつをはいたネコと9つの命』はそんな生きている人物の中で生や死の影響を受けながらも生きていくという1つの寓話なのかもしれないと思いました。

(追記)本編とは関係ないが、ミッドタウン八重洲のイベントでワンコのクソデカパネルが展示されていて、鑑賞前と鑑賞後で印象が180度変わった。

見る前:お腹が傷ついてるし見ててこっちが痛々しい感じになるな…
見た後:ワ゛ン゛コ゛゛゛(泣)゛

その他

  • なにかと演出が細かい
  • 死をカウントダウンしてるときのフレームの枠にデスウルフがいる
  • 恐怖感だけでなく、爪の中に剣を差し込むシーンなど、感覚的に痛々しいシーンがくる
  • ジャック・ホーナーの魔法の道具部屋でガラスの靴だったり、魔法の絨毯だったりとディズニー作品に対してのオマージュが多い 久しぶりにシュレックの世界観を浴びた。原点回帰を感じる瞬間の一つだった
  • デスウルフにやられそうになるシーンでシュレックやドンキーが走馬灯として出てくるのが泣けるなんやかんや大切な仲間だったんだなと感じる
  • ドリワロゴにバッドガイズ、ヒクドラ、トロールズ、ボスベイビー、シュレックとドリワの代表作が並ぶのがオタとしては感慨深い
  • バッドガイズがそこにラインナップされるのは直近の作品だったからなんだろうけど、いつまでもその代表作として生きてくれ・・・と思ってしまった
  • ゴルディと三匹のクマ達も争奪戦の一部として加わるがゴルディの過去を知ると全員含めて愛らしい存在となる
  • ジャック・ホーナーが呼び出した魔法も使えない良心としての存在の虫がいい立ち位置だった。ジャック・ホーナーのように魔法は使えずともワンコと同様にポジティブに生きていく、彼とは対極の存在として登場したんだろうなと思った
  • (追記)吹替版で劇中に差し込まれる日本語が浮いている感じがあったのが結構不満点かもしれない 特に最後の「FAR FAR AWAY」の看板が日本語訳である「遠い遠い国(うろ覚え)」がゴシック体で置かれているのが気になってしまった
  • (追記)デスウルフに一瞬切られ、額から血が出るシーンと、終盤の目から涙が流れるシーンの構図が対比になっていることに気づいた。前者は死、後者は生きるといったニュアンスでの対比なんだなーって4回目あたりの鑑賞で気づいた

おまけ

映画みてからデスウルフしか描いてない。原稿やらなきゃだけど描かせてください